リサイタル終演のご報告とお礼
12月2日(土)の東京サロン・テッセラでのリサイタル、その前の11月11日(土)の茅ヶ崎スタジオ・ベルソーでのリサイタル、その前の9月18日(月)のアルカスSASEBO中ホールでのリサイタルにご来場いただきました皆様、ご支援をいただきました皆様、温かい応援を誠にありがとうございました。
Je remercie beaucoup encore à tous ceux qui sont venus écouter et ont supporté mes récitals depuis le 8 septembre dans les Cévennes jusqu’au 2 décembre à Tokyo.

9月8日に南仏の山奥から始まったささやかな“プチ”リサイタルツアーでしたが、マネージメントの専門家の補助なしにもこのような各公演を実現でき、最後まで演奏を終える事ができたのは、本当に沢山の皆様のお支えやご協力と友情、各地でご来場くださった皆様のおかげでした。

“素朴の深みに挑む“と題したタイトルの通り、自分にも負荷をかけて「挑んだ」プログラムでしたが、インターバルを挟みながら、性格の違う楽器と会場で一定期間同じプログラムと向き合い続けることを通して、学んだ事や客席と交わした「言葉にできないもの」は、本当にかけがえのない財産となりました。

沢山の学びと反省を、また今後の演奏に繋げてまいります。


9月8日(土) 20:30 会場:Eglise Saint Martin de Corconac (L’Estréchure, FRANCE)
使用楽器:Blüthner 1903年製 (ドビュッシーが使用していたものと同じモデル)


9月9日(日) 20:30 会場:La Filature du Pont de Fer (Lasalle, FRANCE)
使用楽器:Pleyel 1930年代製



9月18日(月・祝) 14:00 会場:アルカスSASEBO中ホール (長崎県佐世保市)
使用楽器:Bösendorfer Model 275



11月11日(土) 14:00 会場:スタジオ・ベルソー (神奈川県茅ヶ崎市)
使用楽器:Bösendorfer Model 175



12月2日(土)14:30 会場:サロン・テッセラ(東京都世田谷区)
使用楽器:Steinway & Sons C-227


東京公演の2日後には、このリサイタルのプログラムとアンコールで演奏したフランスゆかりの曲目を携えて、立教大学池袋キャンパスにお邪魔し、音楽の歴史の講義にて演奏と講話をさせていただきました。
3時限目の一番眠たい時間にもかかわらず、盛りだくさんのプログラムを終始熱心に聴いてくださりとても嬉しかったです。
また皆さんからいただいた心のこもった感想文は大切な宝物です。
私にとっても、音楽のもつ以心伝心の力を再認識させられる貴重な機会となりました。
お世話になりました先生方にも心からお礼申し上げます。

【2017/12/09 21:04】 活動報告 | トラックバック(-) | コメント(-) | page top↑
2016年9月9日~11日
9月9日

本番翌日、マルセイユを出発する前に15分だけ観光ができた。ここはマルセイユを一望する、ノートルダム・ドゥ・ラ・ギャルド・バジリカ聖堂。


大きな港街のマルセイユの教会には、航海の安全を祈願した船の模型や船の絵がたくさん展示してあった。


太陽のあまりのまぶしさに、目を閉じないでいるのに必死。
海のそばなのに、風がからっと乾いていて心地良い。


マルセイユ・プロヴァンス空港からパリへ。


パリには遅く着いて、乗り継ぎのため一泊眠るのみ。3月末まで7年間住んでいた元自宅のすぐ近くで一泊した。寝る前に少しだけ歩いてみたが、5ヶ月ぶりでも変わらない日常が流れていた。変わったのは公園に赤い大きな植木鉢と駐輪スペースが現れた事と、、、

落書きアートの絵柄が更新されていたこと。
住んでいた部屋にはまだ誰も入っていないようだった。住み慣れた場所なのに家に帰らないのが妙な感じだ。少しのさびしさと、そばにいても遠くにいても変わらず世界はつながって続いていくという安心感を噛み締めた。



9月10日
翌朝再び格安航空に飛び乗り、ミラノの親友を訪ねた。

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イタリアでのチッコリーニ先生のマスタークラスで2010年に出会って以来、毎年同じマスタークラスで学び合い、その後パリでも2年間同じクラスで勉強した仲間。僕よりも先にパリを去っていたのだが、今回幸い帰国便にミラノを経由する格安チケットが手に入り、1年ぶりに再会する事ができた。帰国後の苦労話や、近況報告を兼ねたピアノの弾きあいなどをした後、去年亡くなったチッコリーニ先生がかつていつも好んで召し上がっていたアペリティフで、マエストロに献杯した。話していると、恩師から学んだ事がまた違った角度から立体的に見えてくる。


2015年6月の友人の試験の時の模様。パリ・エコールノルマル音楽院のホール"サル・コルトー"にて。ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番を伴奏した。この学校の試験は予選と本選からなるコンクール形式で、審査員には学外から著名な教授やピアニストが呼ばれ、最上級の課程になると、審査員も受験生も大きな国際コンクールさながらの顔ぶれになる。そこで最後まで選ばれた学生しか修了認定を受ける事ができない。毎年各課程が厳しい試練となっている。
私の受けた2012年のコンサーティスト高等課程修了試験では、この音楽院の演奏高等課程修了か、国際コンクール世界連盟加盟のコンクールでの入賞者という条件でエントリーを認められた16名が受験し、修了証を与えられたのが5名。この時の首席は、浜松国際ピアノコンクールを始め多くのコンクールの覇者でもあるイリヤ・ラシュコフスキー氏だった。この様な環境はあまり外に知られていないようだが、学内にいながら世界中の多様なものすごい才能・演奏にいくつも接することができ、また彼らと交流を深めることができたのは貴重な財産だ。
この伝統ある名ホールや、重要文化財に指定されている歴史ある校舎の、豊かで自然な音響のレッスン室で勉強を重ねられた事(ペダルの概念が根本的に変わった!)、コルトーの所有していたプレイエルのピアノで何度も弾けたことなども、この学校でしか得られなかった経験だと思っている。
(これから留学を考えているという人にとっては、留学先の具体的な様子がとても貴重な判断材料になる事を身をもって経験してきたので、ついでに少し触れてみた。)

9月11日

(↑写真のターミナルの屋上パネルに「ワルシャワ・ショパン空港」と記されている)
ワルシャワ・フレデリク・ショパン国際空港で乗り換えというだけでテンションが上がってしまう。
右手を故障して振り出しに戻る前、ポーランドで勉強することを真剣に考えて準備していたほど、僕にとって特別な思い入れのある作曲家ショパンの国にやってくるといつもなんともいえない厳粛な気持ちになる。
それにしても、ここはポーランドの首都ワルシャワのメイン空港。日本でいう成田か羽田にあたる、国の表玄関だ。そこに名前がついてしまうショパン。ショパンにとってのポーランドと、ポーランドにとってのショパンがこれほどの誇りなのだなと、改めて感激してしまう。


7年前に訪れた時よりも空港がうんと新しく、大きく、おしゃれになっていた。
以前は西側の主要空港で乗り換えが必要だったのだが、最新鋭のB787で東京へ直行できるようになっていた。
ポーランド人のお客さんと乗務員さんに囲まれ、大好きなポーランド語の響きを久しぶりに耳にしながら帰途についた。

翌朝、到着した成田で、偶然同じ便に乗り合わせていらっしゃった、10年以上前にお世話になっていたポーランド語の先生とばったり遭遇し、ご挨拶を交わしながら、色々なところでつながるご縁をありがたく思った。

【2016/09/12 18:00】 活動報告 | トラックバック(-) | コメント(-) | page top↑
2016年9月8日
9月8日
午前中に友人宅を発ち、車で4時間弱、マルセイユへ移動しました。







道に随分迷って辿り着いた会場からの眺めに圧倒されました。










リハーサル中の眺め。


20時半から、30人ほどの音楽家中心のお客様を前に、モーツァルト、リスト、チャイコフスキー、ブルーメンフェルト、スクリャービン、ショパンを演奏しました。


アンコールの後、サプライズでお客さん達からのハッピー・バースデーの斉唱とバースデーケーキが!私の33歳の誕生日だったのです。ぶっつけのその場で素敵にハモってくださったお客さま達!フラッシュ・モブさながらの素敵なプレゼントに胸がじ~んとなりました。


本番中にロウソクを吹き消すのは初めての経験。濃厚なプログラムで感情を深く通わせ、体力的にも出し切った後のサプライズに、頭の中が真っ白に…色々な想いが込み上げて、ただただ感謝の言葉を繰り返す事しかできませんでした……

音楽がくれた出会いに感謝した夜でした。


【2016/09/08 23:59】 活動報告 | トラックバック(-) | コメント(-) | page top↑
2016年9月4日~7日
9月4日

日記に写真を並べてみると、そうこんな事あったなぁと思い出しますが、写真に写っていない大半の時間は鍵盤・楽譜とのにらめっこや、その他雑務と打ち合わせの時間。そんな中、会話を交わしながらの食事の時間は束の間のリラックスできる時間。友人のご主人の手料理は、自然のエネルギーをたっぷり吸い込んで育った自家製の野菜や穀物がふんだんに使われていて至福のひとときでした。


ご主人とお嬢さんたちが家の前の沢でとってきたという美しい鱒をいただきました。シューベルトの音楽が脳裏に浮かびます。


この夏はとにかくたくさんピアノを弾かせていただいたのですが、まさかロバまで引かせていただくことになろうとは…
生まれて初めての体験、森の中を2時間ほど歩きながら、ロバと自然に癒されました。

9月7日
移動と本番を翌日に控え、通し稽古にひと段落ついたとき、キッチンから「ノリ!出発前に写真とっとくか!?」と友人のご主人から呼ばれ行ってみると、並べられた美しい野菜!
 20160922044426_20160922044443.jpg

左下の獅子唐とピーマン以外は全部トマトです。全て友人宅の畑でとれたもの。種類の豊富さに衝撃を受けました。
どれも信じられないほど美味しかったです。




【2016/09/07 23:59】 活動報告 | トラックバック(-) | コメント(-) | page top↑
2016年9月2日、3日
9月2日、3日は、先日のマスタークラスでご一緒した、親友のカレン・カプフェレルさん指揮の女声合唱団とのコンサートでした。
初日はメトーディスト・アンデューズ教会にて。
20160902Anduze
ここにはピアノがなく、性能の良い電子ピアノでの演奏会でした。強弱がコントロール可能とはいえ、楽器自体の振動で音を生む実際の楽器とは比較にならない、表現上の限界がありましたが、教会の響きと雰囲気に助けられながらの盛会になりました。

9月2日のコンサートにて、ソロの演奏後。


9月3日
20160903Corconac
3日は、山の上に立つ、11世紀に建てられたサン・マルタン・ド・コルコナク教会にて、前日と同じ「愛と自然」をテーマにした以下のようなプログラムを演奏しました。

フォーレ:独りきり
フォーレ:ある修道院跡にて
(以上、カレン・カプフェレルさんとのデュオ)
フォーレ:小川
ベルリオーズ:オフェリーの死
ドリーブ:森の妖精たち
(以上、カレン・カプフェレルさん指揮女声合唱団と)
ショパン:アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ(ソロ)
~休憩~
モーツァルト:トルコ行進曲(ソロ)
シューベルト:セレナーデ
(カレン・カプフェレルさん指揮女声合唱団と)
ドビュッシー:ノクターン(ソロ)
ドビュッシー:3つのビリティスの歌
(カレン・カプフェレルさんとのデュオ)
エルガー:雪
マスネ:女声合唱とピアノのための「花の詩」より 
花々の賛歌、
小枝の踊り、
五月の歌 (以上、カレン・カプフェレルさん指揮女声合唱団と)
~アンコール~ 
ドリーブ:森の妖精たち(カレン・カプフェレルさん指揮女声合唱団と)






1つの90分の演奏会で、歌曲の伴奏、合唱の伴奏と、ソロの演奏を織り交ぜながら弾き続けるのは、意識の切り替えが難しい初めての冒険でしたが、実際に弾ききってみるととても美しい流れのプログラムになりました。


ここのピアノは、1903年に製造されたブリュートナーのピアノで、ドビュッシーが好んで使用していたものと同じモデルということです。
この場所にもご縁があって、2年前にこのピアノが教会に入った時に、弾き初めとしてリサイタルをさせていただいて以来、何度か弾かせていただいる、愛着のある楽器です。これまでにロシアのどこかで所有されていた時代もあるのだとか。往年のピアノロールの録音から聞こえてくるような音がします。
ドビュッシーの作品の中では、ベースの長く伸ばされた響きの上で、並行的な和声が動いていく場所がたくさんでてきますが、そこは右のペダルの踏み加減で調整するのか、真ん中のペダルを使うのかといった議論や試みは、ピアニストの間でもよくなされる部分です。
それが、残響と共振のための、ハンマーで打たれない4本目の弦が張られているこのピアノでドビュッシーを弾くと、右のペダルだけでもそれがとってもうまい具合に運びます。ドビュッシーが聴いていた音ってこんな感じだったのかなぁ…という瞬間にたくさん出会ったステージでした。

【2016/09/03 23:59】 活動報告 | トラックバック(-) | コメント(-) | page top↑
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