facebookをご覧の皆さまへ同じ内容の英語の記事を書いてから少し時間が経ってしまいましたが、日本語でも改めてブログに書きます。
![]() 写真:青柳聡 出典:第12回東京音楽コンクールホームページ この度、第12回東京音楽コンクールにて第3位を受賞しました。 このコンクールは最初に83名の応募があり、CDによる予備審査、非公開の1次予選、一般公開の2次予選を経て、8月26日に東京芸術劇場コンサートホールにて4名の本選出場者と大井剛史氏指揮、日本フィルハーモニー交響楽団との共演にて本選が行われました。 順位や賞というもの自体は、本来音楽というものは人間ひとりひとりと同じようにその価値を比べることのできないものですし、心のコミュニケーションである純粋な音楽の本来の意味においては重要なものではないかもしれません。 (ですからそのような矛盾を一手に背負う審査員の仕事というものはあらゆる意味で難しいものです。出場者もその矛盾は承知のうえで、今後の演奏の機会を得たり、厳しい条件の中人前で演奏する事を通しての、自身の成長を得るために参加しています) ですが、今回の入賞は私にとって、2004年暮れに右手にフォーカル・ジストニア(局所性ジストニア)を発症して演奏時の正常なコントロールが困難になって以来初めての、大規模なコンクールでの受賞でした。 音階やアルペジオといった基本的なものが弾けない、鍵盤の上にだまって手を置く事すら出来ないという状態から、難関のステージである程度以上自分の表現を提示し、評価をいただくことができるところまできたという事は、多くの音楽家を悩ませるこの難病が克服可能なものであるということを社会に示す上で、とても意味のある大きな成果だと、有り難く受けとめています。 大変な条件の中、出場者それぞれを愛情を持って支えてくださった、指揮者の大井剛史先生と日本フィルの皆様には、感謝してもしきれない想いです。自分の反省は多々あるものの、同じ空間の皆様との心のつながりを感じた幸せなひとときでした。 長い時間聴いてくださった審査員の先生方と客席の皆様、裏で温かく支えてくださった事務局やスタッフの皆様へも心から感謝申し上げます。 客席で聴けずに残念でしたが、素晴らしいファイナリストの皆さんへBravi!! これからも、今回の大きな経験を活かしながら、より良い本物の音楽に近づけるよう勉強を続けて参ります。 【2014/09/12 08:10】
音楽家のフォーカル(局所性)・ジストニア |
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