9月27日日曜日、長崎の浦上天主堂にて、被ばく70年・ユネスコ70周年の平和祈念コンサートが開催され、発案・主催者で、ユネスコ平和芸術家のヴァイオリニスト二村英仁さんと共演させていただきました。

この日は私の生まれ故郷の五島も含めた長崎県の各地や県外からも、本当にたくさんの方にお集まりいただきました。
好天に恵まれ、夏に舞い戻ったような暑さでしたが、お暑い中お並びいただいたり、遠いところ、近いところ、貴重なお時間を割いてお集まりいただいた皆様に心から御礼申し上げます。
(以下の写真は、カトリック浦上教会より許可を得て撮影)

一曲はソロで、被爆地長崎からのメッセージを込め、ショスタコーヴィチのプレリュードとフーガ 第24番 ニ短調 op.87-24 を演奏しました。
1945年の8月9日午前11時2分に、この天主堂の目の前の上空で炸裂した原子爆弾によって起こった信じ難い事実や、そこから始まり今なお続く長い長い苦しみ、鎮魂の祈り、人間の欲望や過ちや恐れの連鎖と暴走が生む巨大なテロルへの警告、平和への誓いなど、言葉で言い尽くせない被爆地の様々な想いを音に込め、この地に眠る、犠牲となった方たちの魂と心をひとつにしながら弾きました。

この意味の大きな機会を与えてくださり、一緒に音を紡ぐ神聖なひとときをご一緒させていただいた二村さんとの握手。

これまでユネスコ平和芸術家として世界の紛争地などでも弾いてこられた二村さんの、温かく優しく熱いヴァイオリンの音色、コンサートの開催に当たり何から何までに奔走してくださった、絃洋会楽器店の野口さんによって調整された美しいピアノの声、天主堂の穏やかで自然な響き、客席の皆さんの心の息吹、そしてとても大きくて深い存在に見守られている穏やかで神聖な空気に耳をすませながら、音楽に祈りを重ねました。

歴史的に特別な重い意味を持つ浦上天主堂にて、独特の静寂と自然な響きの空間の中で会場の心が一つになったように感じた、心に残る音楽と祈りの機会となりました。
世界で未だ戦火が消えず、あちこちできな臭い空気が漂う今、広島・長崎で起こったような悲劇が二度と繰り返されないように、逆らう事のできない絶対的な権力や武力による一方的な殺戮や戦争によって人が命を失う事がなくなるよう、ひとりひとりの心の中が恐れのない安らかなものになっていくよう、長崎の地より心から祈ります。
最後に、この貴重な意味のある機会を与えてくださった二村英仁さんと二村英仁オフィス株式会社の皆さま、多大なるご理解とご協力をいただいたカトリック浦上教会と絃洋会楽器店の皆さま、ご後援を頂戴し厚いご支援をいただいた、UNESCO本部、ユネスコ日本政府代表部、日本ユネスコ国内委員会、日本ユネスコ協会連盟、長崎新聞社、長崎県教育委員会、長崎市教育委員会の皆さま方、関わってくださったすべての方々に、心より御礼申し上げます。ありがとうございました。